この二日間、仲間と共に遊行を行いました。中国や台湾からの方も参加して、お山を歩き、いのりを味わいました。一期一会のめぐりあわせに豊かさと仕合せを感じました。
人はそれぞれの道をそれぞれに歩むものです。
しかしその時、一瞬のズレもなく絶妙に出会います。お互いに必要なタイミングで最幸の瞬間に邂逅するのです。それをご縁ともいいます。ご縁は、人とだけではなく場とも出会います。天候、光の加減、星の運行、つながる歴史、とても書ききれないほどの膨大な奇跡の連続です。
それを感じて生きる人は、常に一期一会の生き方をしているともいえます。そもそも修験道をはじめ、すべての道は生き方のことです。どのような生き方をしているか、その実践や実践者たちの背中には學びの原点や根源があるものです。
そしてそれは同じ場、同じ時、同じご縁を味わい盡す時にこそ顕現するものです。
道をどのように歩むのか、それが學ぶということの本質です。
そして徳というのは、その歩み方のなかで何を最も大切にするかということです。
例えば、素直であること、謙虚であること、正直であること、思いやること、助け合うこと、真心でいること、心身を清め続けることなどが徳になります。
道徳というのは、本来は言葉や単語で理解し説明するものではなく実践を通して學び続けていく人間のいのちのいのりです。
いのちのいのりには、答えはなく生き方があるだけです。
生き方を學ぶ人たちが、いつの時代にも道を結んで螺旋のように歩んでいきます。
一期一会は、真の幸福の道ということでしょう。
このまま丁寧な暮らしを続けて、最期の瞬間まで人間らしく生きていきたいと思います。