昨日と本日とダイヤモンド社が主催する、ケン・ブランチャード博士が開発した研修プログラムSLⅡに参加してきた。
もともと現場の先生方の育成方法や子どもの発達段階におけるアプローチ方法を悩んでいた時に世界で大ベストセラーになった「一分間マネージャー」の著書と出会いとても共感してその本質と真相を知りたいと予てから思っていた。
ただ渡米して参加するには等々と迷っていたけれど、そのファシリテーターに国際メンターシップ大学院大学学長でハワイ大学名誉教授の吉川宗男学長が務めると書いてあったので関心が倍増しすぐに申し込んだセミナーだ。
セミナーは本当に素晴らしい内容で本当にさまざまな気付きを得ることができた。
最初は来月オランダの研修センターの視察に入る前にグローバルな海外の研修モデルの視点観点についての参考にしようなどと感じていたけれど、それを通り越えてファシリテーターの吉川学長の熱意、誠意、知識、共感の姿勢、すべてに深く感動した2日間といっても過言ではなかった。
吉川学長のメンターとしてのリーダーシップの後ろ姿そのものを深く学ばせていただきました。
本当に、有難い貴重な出逢いをありがとうございました。
吉川学長の話ではリーダーシップマネジメントは、バブルを通過してつい昨今までの日本ではそんなに現場で必要とされていないマネジメントだったそうだ。
しかし今の時代は、ITが急速に進化しボーダーが引きなおされてコミュニケーションの質も量も変化し、今まで当然にあった年功序列や階段式、派閥式などの集団をひとつのまとまりとして創り上げてきた空気を読んでなんとなくあわせるルールが崩壊しだしてきているというようなことを仰っていた。
これからは多様化した社会の中で、縦社会が崩壊してフラット化しそれぞれの個が自立してパートナーシップを結んでいかなければ知恵や知識の創発もまた共存共栄も自己実現なども定義しにくい時代に入っている。
それは私自身、日々、仕事を通して園の現場に入っていてもよく分かる。
個人面談などをすれば、職員も保護者も関係者も今までになかったような不安や不満をみんなたくさん抱えているからだ。
そういう私たちも、今までの園に入る「出入り業者」という定義をどう越え、どれだけ園と螺旋的に共創できるようなパートナーシップが結べるかどうかを日夜考え続けている。
今までのように企業だって教育や福祉の組織や集団、行政や制度、もしくは何かの伝統に依存して無理やり子どもの環境を守ろうとしたってその先にある子どもの社会がきっと今までのようなものが続けられるはずがない。
だからこそ自分たちの仕事を通してちゃんと子どもの未来を見通し見立て、今からまず「自分たちが変わってみせ模範を示す」ことをやっていくことで大人としての専門性を示していく必要があるのではないかと私は思う。
この例で言えばカグヤは例えば現在「発達段階」ですべての社内マネジメントを構築している。
顧客についてそれぞれの状況をスキルと意欲を見立て週末にそれぞれの園の中からもっとも私たちが貢献できるところを設定しみんなで話し合いを深めている。
どうしたらその園がもっと良くなるか?そしてどうしたら、その園のやりたいことをやりながら自己実現をしていくことができるだろうか?等々を特別な発達段階に分けて話し合っている。
そういう意味でも今回のケンブランチャード博士の考え方も、今の園の職員の育成には必須ではないかとも思うし本当に参考になった。
園でよく見かける職員育成方法はあまり良い方法だとは思えず、いきなり現場体験少しさせたらいきなりクラスにつけてそのまま任せて放置する。もちろん会議もあるけれどほとんどが段取り系ばかりで内容についてはフィードバックがほとんどない。
これをケンブランチャード博士の著書では「放ったらかしのバッサリマネジメント」と言うそうだ。
そしてそれをそのまま続けていたら文字通り「職人芸」というものになって共通理解が取りにくくなっていくのだろうと思う。発達段階で相手の状況にあわせていくことこそ大事なことだ。
これは園だけではなくよく日本の企業や組織では起きているのではないかと思う。
やはり私たちは教育に携わる人間として子どもの近い将来を鑑みるとき、この今もそれに気付かずそれを続けていくのはいけないと私は思う。
会社でもそうだがまずは園でも先生がひとりの人間としての個の幸福や成長をしっかりと保障されていないのにどうやって子どもたちの個々の成長が保障されるのかと思う。
このまま今のままを先延ばししていたら将来少子化によってより個が重視される世の中になり、ますます自立していくことが困難になればより子どもに大変な思いをさせてしまうかもしれない。
教育とは社会そのものである本質である以上は当然の因果だと思う。
最後に、
私が今回の2日間の研修を通して吉川宗男先生から学んだこと。
それは
「相手を目上目下、肩書き、組織からではなく刷り込みを取り除き、人間としての存在をまるごと認めて、共感、傾聴、受容、自立ということを尊敬しながら接し、よく相手の行動意欲を洞察観察して、十人十色、一人十色と自分を相手の状況にあわせて変えていく、そして最善のマッチングを目指すこと」
というようなこと。
そして人と人とは、お互いに育ちあうこと、共に進むパートナーであること。
相手を学び、自分を知ることはその人が本当に真に求めているものを与えることにつながっているということ。
人間を知るということは、相手の求めていることが分かることだと。
簡単なことのようでこれは本当に難しい。
子どもたちの使っている「言語」を知り、その言語が求めてるいるもの提供すること。
これも私たちが探究している「見守る」ことにつながっている。
つい大人主導になりがちなマネジメントを、そうならないようにするにはいろいろな理論をデジタルで学び、保育の実践でアナログで覚えることにあると思う。
この貴重な体験も、子どもにとっての最適なマッチングができるようにカグヤで実践しながら自らのものにしていこうと思う。
そうして多くの人たちに同じような姿勢で歩んでいけるように啓蒙していきたいと思う。
2日間、本当にありがとうございました。
コメント
人と人との関わりの中で見守るという事がいかに大事な事なのか、考えさせられます。子どもたちに対してだけではなく、大人同士の関わりの中でも相手を信じて受容する事の大事さも感じます。人と関わる中で、どちらが上とか下とかではなく、関わりの中で自分も成長させていただいているという事を絶対に忘れてはいけないのだと感じました。ついわかった気になってしまい人との関わりを安易に考えてしまっている自分がまだまだ出てきてしまいます。相手の事を深い部分で知る為にも先ずは今の自分の考え方や姿勢を改めていきたいと思います。
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自分一人で分かった気になった様に、何かを伝えていたとしても共に育とうという意識
が無ければ、只の自己満足になってしまう。如何に知識を溜めようとも実践して、自分の
言葉で相手と同じものを見て同じことを感じ取ることが出来ないと意味が無くなって
しまうのですね。どうしても相手のことをもっと深く理解しよう、信頼を得るために
分かって頂こうという我欲が出てしまい、だからこそ、スキルに走ってしまうのだと
言う事を思います。
もっと相手のことを尊敬して、認めていき、相手の可能性を引き出していくことが出来
る様に向き合うと言うことについても考えを改めていきたいと思います。
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自分が大人として子どもたちのお手本になることが大切だということと同じことで、自分が幸せでないと相手も幸せになれないのだと感じています。
村上和雄さんの「スイッチ・オンのいき方」に書いてある、「感情は風邪のように伝染する」という「ミラー・ニューロン」。
自分の幸せが伝染できるようになり、沢山の人が幸せになれたら、どんなに素晴らしいのだろうかと思います。
まずは、身近な人に幸せになってもらうためには、
自分が成長することだと思っているので、自分が多くの人を助けることが出来るよう、成長して助けられる人を少しずつ多くしていきたいと思います。
思うだけでなく実際に行動に移していくために、自分に足りないのは、自覚と、本気だと考えています。この2つを意識して取り組んでいきたいと思います。
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投稿大変興味深く拝読しました。
10月30日の吉川宗男先生の出版記念パーティーには
参加されますか。
その機会にお話できれば嬉しいです。