昨年は、一年を通して機会のたびに鞍馬寺にて学ぶことができた。生活の中でいくら気を付けていても無意識に他人への思いやりに欠けることがあり、自ら誠を尽くしていくことが難しくなる時もある。
そういう時は、なぜ人との関係でこんなに悩むのかを考えてしまうことがある。そういう時、多くの人を受容している方々の実践を観て深く反省することが多い。
私はまだまだ誠意が足らず、どうしても自分本位に考えてしまうことが多い。自分が苦手な人を避け、自分が嫌だと思う人がいれば優しさに欠けてしまうことがある。また逆に、自分都合で解釈してしまうと相手を得意な人とし近づけ、自分が好きだと思う人ばかりに優しくしてしまうことがある。
どちらにしても自分本位であり、相手を慮り思いやる心がまだまだ鍛錬されていない証拠であると思うと本当に申し訳ないと思うことがある。相手によらず自分が誠を尽くしていけば自然にどんな人たちとも自分の誠実さで接することができるのではないかと思うとまだまだ泰然自若には程遠いし課題が沢山ある。
人を愛して天を敬うに西郷隆盛の実践がある。
「己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬるべし。我を愛する心を以って人を愛せ。自己を許すが如く人を許せ。人を責めるが如く自己を責めよ。」
意訳すれば「自分自身を尽くすことをし他人を咎めない。そして自分の誠意と真心が足りないことを常に自問自答すべきである。自分を愛するような心をもって相手を愛すること。自分を許すように相手を許してあげること。他人を責めるように自分を責めなさい。」ということ。
つい人は自分のことは棚に上げて他人のことを断罪したり叱責したりすることがある。しかし本来、それは自分にも同じものがあるものであり相手ができないならばそれを教えてあげたりそうならないようにと諭してあげればいい。
それなのにできないからと相手を責めるのはやはり自分自身に相手を思いやる心に欠けているからそういうことが起きるのだとも思う。
別に聖人君子になろうとして周りから良い人に思われたいわけではなく、天の心に通じて天と一体になることで自然に溶け込みたいと思うが所以なのであると私は思う。
天という偉大なものに生かされていることを知った時、人はその恩恵に感謝しお返しするために自立しようとするもの。その自立をするためには、やはり人を愛さなければかなわないということだと私は思う。
天の慈愛を自分の中に見出し、自分の慈愛がそもそも天から授かったのものであると気づくことこそ誠を尽くすということであるのだと私は思う。
私の美点に、相手を選ばず常に最大級の愛で接し用とすることだと周囲の方々から教わったことがある。それはきっと、それが自分が愛と繋がっている絆の場所だからであるのだと思う。
同じ絆への強い執着を仲間との愛につなげていけるよう、より慈愛の心で苦手なことやできないことを諦めて豊かに接していきたいと思う。ただ己の誠を省み、人を大切にして生きていくことが子どもたちの見守るにつながると信じて実践を深めていこうと思う。
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人を変えたければ自分が変わることが大切であるということや、感動を人に伝えたければ自分自身が感動することだということなど、たくさんの言葉を偉人の方々から学ばせて頂いておりますが、実践していくには私自身非常にムラがあり難しく感じます。気分や好き嫌いで実践できたりできなかったりするところにまだまだ公の志が足りずに、自分自身の私利私欲のために行っているのだと自分の小ささを知る機会となります。私利私欲にぶれずに今年は実践を積み重ねていきたいと思います。
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人間関係での難しさに相手の思いより自分の感情が優先されてしまうことが多々あります。
相手の気持ちに共感するということは言葉では簡単ですが、実際には相手の気持ちより
自分の感情の方が当然、わかりやすくまた、支配されやすいので常に自分に矢印を向けて
内省することを心がけていなければ無意識の中で人を気づ付けてしまうことになると思います。
現代ではコニュニケーションの希薄さが問題にされていますが、幼小のころからの
家庭、家族を基本にした人間関係からの愛情の共有から他者との関わりに繋がり、社会の構築へと意識が向いていくのだと思いますが、もともと家庭で愛情の共有が希薄になることで色々な問題に繋がっているのだと思うと、もう一度家族とは何か、家庭とは何かを考え、その先に自分とは何かが見えてきて、社会と自分の関係も見出していけるのだと思います。
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人と関わる中で、自分を優先するのではなくいかに相手の気持ちに立つことが出来るか?とても大事な事だと感じます。しかし実際には、自分自身にゆとりがなければ相手を受容する事も相手の気持ちになる事も出来ない自分もいます。結果的に自分本位になれば、周りの多くの人に迷惑も掛かりますし自分自身も幸せから遠ざかるのだと思います。自分本位にならない為にも矢印を向け相手に求めるのではなく、先ずは自分がという事を大事にしたいと思います。