人はどんな時に基本を身に着けるかといえば壁を乗り越える時のように思います。
何を以って基本というのかは、その心の態度や姿勢が動じなくなることのように思います。
例えば、何かを決めたとします。すると、それを達成するためにはその都度自分に打ち克っていかなければなりません。様々なことから自分が決めたことを自分が先に負けてしまっているのでは勝負はそこでついてしまっているからです。
諦めないという心は、何よりも大切なものですぐに諦めてしまう自分の心の姿勢を直すことができなければどんなにテクニックだけを持っていても肝心な仕合では克てないのです。
自分に打ち克つというのは、自分で決めたことに対しての練習を続けていくことです。気分で仕合うことなど人生道場では許されることではありません。
どんなことがあったにせよ、生まれてきて真摯に遣り切ると決めたならどんな時でも自分に打ち克てるかどうかが仕合の心構えのように思うのです。
人にコンサルティングすることも、コーチングをすることも、そのテクニックは本などでもそれぞれでさまざまな方法が紹介されているものです。しかし、実際は己に克つということを教えていないでそのような技術だけが先行してもその人の個性を引き出すことはないように思うのです。
その人がその人らしくなるには、その人が自らに打ち克って自信をつけなければならないと私は思います。壁を超えて困難を楽しみ、そして前進することに感謝できる時にだけ、融通無碍の自由自在の境地を味わえるように思うからです。
人と会う仕事での一期一会も、応用ではなく基本なのです。
その基本は、具体的には自らがどのようなケースやパターンでも自分の最善を尽くせているかということです。そしてそれができているのなら、必ずその出会いは最幸最大のものであったと言い切れるものになっているのです。
常に日々の中で先に自分との闘いがあることを忘れないことのように思います。
心で浮かんだことを一瞬にして判断し、それを実践する強さとは基本のことなのです。
基本を身に着ける人が増えていくよう、心構えを決め直したいと思います。
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『言志四録』に「克己の工夫は一呼吸の間にあり」とあります。この「一呼吸の間」とは、「ここだ!」という最初の判断の一瞬をいうのでしょう。しかし現実には、この第一歩の判断で躓くことが結構あります。実は、今日もある依頼に対して否定的感情になり一度判断を誤りかけたのですが、シャワーを浴びながら自問して即修正できたケースがありました。まだまだ最初の一瞬では己の迷いに負けそうになりますが、「本当にこれでいいのか?!」とすぐに「もう一呼吸」置ければ、このように修正が可能です。弱い自分の「恐れる心、怠け心、逃げようとする心」に瞬殺されないように、「ここだ!」という一瞬の勝負を大事にしたいと思います。
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最近はハウツー本の類いが非常に多く出回っているように感じます。安易に結果を求める人が増えているのだとは思いますが、その奥には「誰かに依存していると安心する」という気持ちが隠れているのではないかという気がします。幼児期からの成長の過程で親が過保護・過干渉になり過ぎると、子どもの中で「自分」という意識が薄れてしまい他に「依存」する姿勢となり、自らに打ち克つことが困難な子どもになってしまうのではないでしょうか。親子関係はよく考えなければならないと感じます。また、私自身が「自分で感じ、考え、判断し、行動する」ということを大切にして日々を生きたいと思います。
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心で浮かんだことも浮いては消え、相手のためになると思いつつ行動に移しきれないのはそこまではしなくていいとどこか判断しているからなのかもしれません。社業とする基本は何かと考えた時、楽は方を選択しているのだと感じています。これまでと同じ選択をするのではなく、これまでの機会から学んだことを活かしていきたいと思います。
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恩師から頂いた克己心という言葉に、今の自分自身を照らすと時間や状況を理由に己を押し潰していることも気付かずにいるということに気付きます。己が何を何のために行うのか、この初心確認が何処か弱いのだと感じています。学び直すには、自分自身の習慣も学び直して行きたいと思います。