メンターという言葉があります。
これはギリシャのホメロスの叙述詩『オデュッセイア』の登場人物である「メントール(Mentor)」という男性の名前から来ています。このメントールという男性は、オデュッセウス王の友人でもあり、王の息子テレマコスの教育を託された賢者でした。
そのメントールは王の息子にとり、生き方や判断のモデルとなり、指導者、理解者、支援者といった見守る役割を果たした人物です。このメントールが英語でメンターと言われるようになりメンターの対象者が「メンティ(Mentee)」ということになります。私の主観ですが、日本では吉田松陰と高杉晋作のような関係や、細井平洲と上杉鷹山の関係もまたこのメンターとメンティの関係のように思います。
もともと人は一人でやっているようで一人でやれることはありません。その人が結果を出せるのは、その陰に見守ってくださるメンターたちがいてはじめて事が実現します。
何かあればいつもメンターが助けてくださっているからこそ、メンティは立派に事を成し遂げることができ、メンターもまたそれを支援することでその人自身が志を完遂するのを惜しみなく助けるのです。
もともとメンターというのは、困っている人を助けるような存在です。つまりは見返りを求めない親切さがあるものです。今まで私がお会いしてきたメンターもみんな本当に自分のことを実の息子のように可愛がってくれて惜しみなく智慧や励ましやアイデアをいただきました。
その御蔭様をもって今日があり、今日があるのはメンターとの出会いがあったからと断言できます。そしてメンターもまた、メンターがいて同じようにメンティでもあったのです。
人は生きていく上で、実践モデルは必要です。自分にすべてをさらけ出して命を懸けて大切なことを教えてくださる存在がメンターです。教わる方もそれを命懸けで学んでこそはじめてメンティとも言えます。
つまりはメンターとメンティは共に本気であること、同等の覚悟をもつもの、道を共にし志を同じくするものたちがそう呼ばれるのではないかと私は思います。
善いメンターに出会いたいのなら、善いメンティにならなければなりません。つまりはお互いが「生き方としてのモデル」になったとき、ホメロスの叙事詩に画かれるような素晴らしいご縁や出会いの物語に恵まれるのです。
親切にしていくこと、親切にされたことを周りへお返ししていく生き方がメンターとメンティを育て、そしてその両方が子どもたちがお手本にする生き方の実践になって学問の素晴らしさを伝え、世の人々との関係を好循環させていくように思います。
自分がメンターでもありメンティでもあるのだから、常に学問は命懸けで実践していきたいと思います。コーチングもカウンセリングもどれもこれも基本は親切心と真心ですから常に自分の魂に問い出会いを磨いていきたいと思います。
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昨日を振り返ると、現場でのユーモアや居てくれるだけで場を作る絶対的な安心感、帰りのおもてなしなど、、温かい見守りを昨日も頂き、メンタリングを超えた、「ミマモリング」を体験させて頂きました。本気と本質をユーモアや遊び心、見守りで体験から理解させていき、成長を見守っていくことの幸せ、温かさを感じさせて頂きました。ただただ本質を真面目にやっていては、正しさは伝わっても、絶対的な幸福感や、一円観は体験できないのだと感じました。頂いた学びを今日、すぐに行動に移し、心で味わっていきたいと思います。
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私自身も、これまで何人かの「メンター」によって支えていただきました。いまもそうです。「メンター」は、コンサルタント、コーチ、カウンセラー、プロデューサー等を統合し超越した別人格の「見守り」の存在であり、まさに松陰先生のような教育者としてのひとつの理想のかたちではないかと思います。そういう実践モデルになりたいものです。
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物語の登場人物の名前がこれだけ後世に残り、メントールさんが担った影響力の大きさを感じます。メンター、メンティの関係の中心に実践が据えられていると思うと、社内でもそういった関係が見られるように感じます。誰かの実践に触発され気付き、新たに実践が生み出されていくと思うと知らず知らずのうちに、ぐるぐる役回りが廻っているのかもしれません。どちらか片っぽに偏ることなく学びを深めていきたいと思います。【●】
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関係や役回りによってメンターにもなればメンティにもなりますが、どちらも相手によって自分が活かされ、相手によって自分の学びが深まることを思うと、条件や立場に関わらず育てていただける有難さを忘れてはいけないのだと感じます。今までの自分を含め、人生そのものが自分の自覚している以上に大きなものから見守られていることを感じられずに、自分の力で生きていると勘違いしてしまっている人が増えているのかもしれません。頂いているものをしっかりと感じ取り、また次へとお返ししていきたいと思います。