見守り合い~人間愛の社會~

昨日、39回目GTの保育環境セミナーが開催しました。

ふり返ってみると、もう13年ほど前からスタートし毎年続けてこれたことに有難い思いとその間ご縁があった先生方が今の現場でご活躍しているのを思うと感慨深い気がします。

見守る保育を通して、子どもたちを見守り、子ども同士で見守り、大人同士で見守り、社會を見守り、未来を見守り、世界を見守る。

この見守ることの実践は、人と人との思いやりを通して何が人間として優先されることで幸せになるかを新たにする「道」のように思います。人間を深く愛するということが具体的にどのようなことを大切に生きることか、生き方そのものが保育そのものになっていますから奥が深いのでしょう。

昨日の藤森平司代表の講演の中で、「見守る保育の特徴は、子ども自身に解決させること。例えば子ども同士のケンカは子ども同士で解決させる。それはゼロ歳からできる。」とありました。これも、子どもを信じ、周りの大人も信じているから可能になりますがそこには深い見守り愛があります。また「その子ができないのなら他の子に頼めるようにする、先生が解決するのではなく将来の為にも子ども同士で解決できるようにする」ともありました。自立もチーム保育というものも、如何に自分が全て解決すればいいわけではなく、周りに頼み合い見守り合う関係をどう築くかということになります。常に「見守り合い」を優先しているのです。

講演を拝聴しながら、保育を通して人々を愛することでどのような社會を目指しているか、そしてどのように社會が平和になるか、同じように見守り合う社會(仁の世界)を築こうとした孔子のことを思い出しました。

孔子は論語でこういいます。

「樊遅、仁を問う。子曰く、人を愛す」〈顔淵篇〉 「子貢、問うて曰く、一言にして以て終身これを行なうべき者ありや。子の曰わく、其れ恕か。」〈衛霊公篇〉。

思いやりとは何か、それは人を愛すること、そして一生行うことは思いやりを実践することだと相手の身になって、相手の立場になって、思いやることだと。

これは「見守り合い」のことだと私には感じます。

最初は省みることもなく、礼も分からず律することもできませんから自分勝手に自分自身の思いしか出てこないかもしれませんが、しかし日々の見守り合いを通して自他の境目がなくなってきて御互いの思いが現れてきます。その思いを互いに大切に尊重していれば次第に思いやりになってきます。思いやりは、常に相手の心に寄り添って相手の立場を慮り御互いに助け合うことで愛が通い合うように思います。子ども達を信じて見守れば、子どもはみんな自然に見守り合いの中にいますから子どもから学んで子どもから自分を観直していけば子どもが創りたい本当の社會を邪魔しないでいられるようにも思います。

人類と人間の可能性を信じるからこそ、見守り合う社會も信じることができるのでしょう。この十数年で周りが変わってきた成長を省みながら、次第に子どもたちが将来築いていく社會が変わっていくのを感じて有難く思いました。

引き続き、志業に邁進していきたいと思います。

 

 

  1. コメント

    先日も少し挨拶をさせて頂きましたが、毎年毎年の積み重ねで38回を迎え、これだけご盛況頂けるのは本当に有り難いことです。ただ、運営の方にばかりに目がいってしまうと、どう切り盛りするかを考えてしまいますが、これをさせて頂けるのも実践する先生方があってのことと改めて感じます。セミナーが開催できることはGTが拡がり、実践が深まること。1回1回をもっと大事に私自身も何のためのセミナーか学んでいきたいと思います。

  2. コメント

    「愛されていること」に気づけば気づくほど、「愛すること」ができるようになり、「愛し合う世界」になっていくのではないでしょうか。同じように、「見守られていること」に安心と幸福を覚える人が多くなればなるほど、「見守り合う世界」が実現していくのではないでしょうか。自分のことばかり悩みすぎて、愛されていること、支えられていること、見守られていることを見失わないようにしないといけません。「おかげさま」のいのちを、今日もちゃんと生かしていきたいと思います。

  3. コメント

    なぜ保育園に関わる人々が幸せになっていくのかと疑問に思っていましたが、それはお互いを思いやることであり、見守り合うことだということ。今の自分にしっくりきました。
    急に身体が軽くなったのは実践する皆さんと心の中で通じ合えたからかもしれません。信の力と、実践する方の言葉の有り難さを噛み締めて行きたいと思います。

  4. コメント

    昨日、家に帰ると妻が体調を崩して寝込んでいましたが、枕元には娘が書いたメッセージ付きの折り紙が置いてありました。何の打算もなく自然に思いやれること、子どものその姿から自分自身も学んでいきたいと思います。

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